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2008年2月11日 (月)

深淵:領地の守り神

2/10のコンベンションにて、深淵第二版のGMを務めました。
シナリオは渦型ですが、当日の手間を削減するためにPCの運命をあらかじめ設定した状態でテンプレートを用意しました。
集まったプレイヤーは4人。
うち2人は深淵のプレイが初めてで、もう一人はルールブックを持参していましたがまだほとんど読んでいないという方でした。
私の知人がもう一冊ルールブックを持っていて、ありがたくも貸して下さいましたので、ルールブック3冊を置いてスタート。
用意したテンプレートは第二版ルールブック収録の「傭兵」「翼人の魔道師」「戦車の魔道師」「奇妙な旅人」。
テンプレート選択でかなり悩まれたようですが、それぞれ活躍の場があるということを説明して、無事に決定。
ルールブックを読んでもらいながら、基本的なルールと運命カードの使い方を説明して、運命の劇場の幕が開く…

傭兵 レイス
運命 13 変わり者の親族、05 不幸

ダリンゴース公国の首都フィレアで、口入れ屋アーヤンテルに雇ってもらって傭兵稼業をこなしているところに、親族であるオレゲール男爵から「力を借りたい」と手紙が届く。
男爵に縁故5点がある彼は「やれやれ・・・」と言いながらオレゲール男爵領に向かう。

翼人の魔道師 ドーファン
運命 86 支配者(魔道師学院)、44-11幸運なる魔法の加護

ドーファンは、過去に、古鏡座の塔で知り合った恋人メーアを、実験中の魔力の暴走で失っていた。
ある日、彼は翼人座の塔の高位の魔道師「さまよう翼ルーグ」から指令を受ける。
ルーグがいたのは、魔道師学院の最高意思決定機関「13人委員会」が開かれる部屋だったが、なぜかそこにいたのはルーグ一人だった。
「獅子王教団の力を抑えるために魔族の力を借りたい。封印を開放して欲しい」
その指令が、学院の意とするところではないことを疑いながらも、ドーファンは指令に従いオレゲール男爵のもとに向かう。

戦車の魔道師 グロウ
運命 75 守護者(原蛇の封印)、03 追放

彼は、魔道師学院で冤罪を着せられ、体に焼き印を押されて追放の憂き目に遭った。
帰る場所を失い彷徨っていた魔道師を、オレゲール男爵が「守り神の守護に」と迎え入れた。
彼はオレゲール家の陵墓にある原蛇の封印を守護する役に付いている。

奇妙な旅人 エラゴエル
運命 54 自己犠牲、67 不義の子

彼はオレゲール男爵の側室の子だった。
正室に男の子が生まれた時、側室とその子は領地を追い出された。
親族を頼ってダリンゴースに流れ着くも、後に母は何者かに殺されてしまう。
一人になった少年を救ったのは、「緑の猟犬」のメンバーだった…。
緑の猟犬が次に狙ったのは、オレゲール男爵領にある封印の開放である。
エラゴエルは仲間の3人とともに、商人の格好をして馬車で男爵領に向かう。

オレゲール男爵領はダリンゴースの辺境で、大きく高い丘陵地帯が領地である。
PCが男爵領に近づくと、道すがらでテントや天幕を張っているガタイの良い男達を見かける。
彼らこそ、版図の拡張のために派遣された「獅子王教団」の兵士達であった。
PC一行が男爵の屋敷で歓待を受けるとき、男爵は獅子王教団に対して「守り神があるから大丈夫だ」と平然としており、また魔道師学院からも魔道師(ドーファン)が来たから策はあると強調する。
しかしその裏では、獅子王教団の恐ろしさを知っていて、守り神を開放して連中を一掃しようと画策していたのだった。

翌日。
屋敷の裏にあるオレゲール家の陵墓にドーファンがやって来る。
陵墓の中央にある「原蛇の封印」を調べた彼は、この封印の強度が非常に弱くなっており、わずかな攻撃で封印が開放される状態であることを知った。
魔法知識でそのことを調べているドーファンを、グロウは怪訝な目でにらみつける。
グロウにとって、今「魔道師学院から来た存在」は邪魔者みたいなものだからだ。
昼、レイスが男爵の兵士と手合わせをしているところに、獅子王教団の隊長が男爵の屋敷を訪れる。
隊長はこの丘陵地帯が陣地として優れていることを告げ、「明日の天頂までに領土を明け渡すように」と説得(実質的な脅迫)にかかる。
男爵は青ざめ、兵士と領民に避難にかかるよう命じ、またエラゴエルに自分の妻子をフィレアに逃すように頼む。
エラゴエルが男爵の妻子の部屋に入る直前、妻子の部屋の大きな鏡が白銀の光を上げ、波打つ鏡面から「古鏡の魔道師リリメール」が現れ、妻子を逃そうとする。
直前の幻視で、間一髪間に合うエラゴエル。
彼の真の目的は、自分と母を追放した男爵とその正室の命脈を断つ復讐だったのだから。
魔道師学院に邪魔されてはひとたまりもない。
また、リリメールはドーファンに「魔道師学院からの指令書」を提示する。
そこには、「オレゲール男爵領にある、魔族の封印を開放するものを阻止せよ」と書かれていた。
おかしい。
ルーグの指令と逆だ?
だが、魔道師学院に縁故5が付いているドーファンは、リリメールの指令に同意する。

夜。
満月の明かりが輝く時間。
エラゴエルは他の商人とともに、男爵の妻子を馬車に乗せて出発する。
だが。
馬車は途中で止まる。
「お前がいなければ、母さんは汚名を受けずに済んだんだ!」
エラゴエルが鎌槍を持ち、その刃が月光にきらめく。
母の汚名をそそいだエラゴエルは、単騎で男爵の屋敷に引き返す。

エラゴエルの夢。
屋敷の奥の宝物庫で、奥にある宝箱を開ける男爵。
白い鞘に収められた短剣を手に取り、握って鞘を抜くと、波打つ刃が白く輝く。
「これがあれば守り神を呼び出せる…」

レイスの夢。
原蛇の魔方陣の中心で、オレゲール男爵が白い、波打つ刃の短剣を持ち、綻びかけた封印に向けて突き立てようとしている。
だが。
「守り神には新鮮な血が必要だ…」
男爵が後ろを向き、白く輝く短剣をレイスの心臓に突き立てる。
鮮血と絶叫が当たりに響く。

グロウの夢。
原蛇の魔方陣の中心で、オレゲール男爵が白い、波打つ刃の短剣を持ち、綻びかけた封印に向けて突き立てる。
刺したところから、魔方陣の紋章がミリミリと音を立てながら崩壊を始める。
そしてもう一つ、封印を破壊する音がする。
それは、漂白された片手を魔方陣に叩き付ける「緑の猟犬」の4人。
2つの滅びの奏でにより、今まさに魔族が現れようとしている…

ドーファンの夢。
魔道師学院の中央の塔にある「13人委員会」。
円卓には13人の魔道師…それぞれの星座の塔の主が座っていた。
その先にいたのはルーグ。
無断で封印を開放して魔族の力を使おうとしていたところを糾弾されていた。
ルーグは、ひそかにオレゲール領の封印「復讐の代行者バリアリゴ」を信奉する教団と、開放の盟約を結んでいたのだ。
ルーグの四方から、鎌槍を構えた4人の魔道師が現れる。
彼らは「典礼監視団」と呼ばれ、道を外れた魔道師に終末の秩序を与えることを任としていた。
白い4人は音もなく近づき、一斉に鎌槍を振り下ろした。
完全なる同時攻撃。
異端の魔道師の終焉であった。

期日の朝。
オレゲール男爵がレイスを呼ぶ。
グロウとドーファンも付いていく。
エラゴエルだけは丘を下り、準備をする獅子王教団のところに向かう。
男爵一行は陵墓の封印へ。
男爵が白い短剣を出したところでアクションシーンに。
まずレイスが背後から男爵に切り掛かる。
衝撃で白い短剣が手から落ち、転倒するが、騎士鎧を着た男爵には有効なダメージが行かない。
次にグロウが、つがえていた破魔矢の代わりに、2アクション使って普通の矢を放つ。
ダメージカードの中に「貫通」が1枚出たが、騎士鎧は二重鎧なのでこれも有効打にならず、かえって男爵の狂乱を誘発してしまった。
最後に、ドーファンが遮光眼を開け、白濁した瞳で「凶眼」を発動する。
これが決定打となり、男爵は声もなく動かなくなる…即死。
程なく、丘の下から獅子王教団の信徒達が、鬨の声を上げながら領地を進軍する。
エラゴエルが先導していた…

エンディング。

レイスは「変わり者の親族」の結末を見届けた。
男爵は領民や兵士を避難させた後に事を起こすことで、領主の責務を果たしたのだ。
フィレアに帰ったレイスのもとに、口入れ屋アーヤンテルから新しい仕事のお呼びかかかる…

ドーファンには幸運なる魔法の加護があった。
男爵に向けた「凶眼」が奏効したのも、亡き恋人メーアの残した魔力のおかげかもしれない。
魔道師学院に忠誠を誓い、本当の使命を果たした白き魔道師を、13人委員会は称賛する…

グロウは守護すべき「原蛇の封印」を守り通した。
やがて、リリメールが13人の封印者を魔道師学院から連れてきた。
彼らとともに「封印の強化」の儀式を執り行う。
これらのことをドーファンとリリメールが証言したことで、13人委員会はグロウの「魔道師学院からの追放」を取り消す。
彼に、再び安息と研究の場所が待っている…

エラゴエルは不義の父、そしてその妻子への復讐を果たした。
もはや、彼にとって封印などどうでも良かったのだ。
「やったよ、母さん!」
そう喜んで大声をあげるエラゴエルの背中を、風がやさしく後押しする。
その風の中に、母の声を聴くエラゴエル。
フィレアに戻った彼に、夢占い師が「あなたにはお母様の死霊が憑いております」と告げる。
これからはいつでも母に会えるのだ…

GMとしては予想していなかった「PC全員生還」という結末。
GMとしては、かたや男爵側につくレイスとグロウ、かたや「封印の開放」という共通の目的を持つドーファンとエラゴエルの対立という事を想定してシナリオを組んでいたはずなのです。
そして「男爵領を蹂躙した獅子王教団VS封印から抜け出した復讐の代行者バリアリゴ」という血まみれの結末を考えていたのでした。
そんな訳でそんな訳で。
深淵初体験のプレイヤー2人にも楽しんでいただけた様子で、GMとしては良い結果でした。
深淵のGMするのも2年近くぶりだったので、ルールを覚えているかどうか、ルールを第二版にちゃんと移行できるかどうか、なにより、感覚とテンション、イマジネーションを維持できるかどうかが内心不安だったのですが、無事に終えることが出来て良かった良かった。
プレイヤーの皆様、ルールブックを貸していただきました知人氏、どうもありがとうございました。

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