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2008年2月17日 (日)

コンベンション・ジプシー

コンベンションの参加者には、実にいろいろな人がいる。
老若男女、初心者、上級者、プレイヤー、ゲームマスター、Stuffなどなど。
好きなゲーム、遊びたいゲーム、プレイスタイルや考え方もさまざま。
今回紹介するのは、その中に一人はいるであろう存在、各地のコンベンションを渡り歩いていろんなゲームを遊んでいる、いわば「コンベンション・ジプシー」と呼ばれる人たちである。
(「コンベンション流浪者」とか「コンベンション難民」とか言うとアレなので…)

「コンベンション・ジプシー」は、特定のサークルに所属することなく(していることもあるが)、毎月、あるいは毎週、どこかのコンベンションに顔を出して、RPGを遊んでいる人のことを指す。
彼らが、なぜそうなったか?には、さまざまな事情が考えられる。
例えば、学校の卒業やサークルの解散などにより、プレイの場を失ってしまい、その機会をコンベンションに求めたとき。
地元にサークルがなかったり、会員を募集していなかったりしたとき。
例えば、サークルやキャンペーンで何らかのトラブルを起こしたり、物理的・非物理的事情でサークルにいられなくなってしまった時。
例えば、キャンペーンで自分がマンネリを起こしてしまい、気分を変えるためにコンベンションを出歩くようになったとき。
毎回違うメンバーで遊んで、自分の実力を試したかったり、力をつけるため。
新しい出会い(男女問わず)を求めて。
etc...

そんな彼らは、常に最新の情報を受信(または発信)しているのが特徴だ。
TRPG関連の情報メディア(雑誌、ニュース、ブログなど)を絶えずチェックしていて、新作商品などの情報に詳しい人が少なくない。
どのコンベンションでどんなゲームがよく遊ばれているか?ということもチェックしているので、「Aコンベンションでは文庫ファンタジーRPGが流行っていて、Bコンベンションでは文庫現代スタンダードRPGが、Cコンベンションだとアニメ化されたRPGが遊ばれている」なんて事も知っている。
だから、そのコンベンションの情勢にあわせたルールブックを持ってきたりするので、急な時にゲームマスターになることも多い。
各地のコンベンションを渡り歩いて経験を積んだプレイヤーは、他のプレイヤーにとっても心強い存在になる。
いろんなゲームのいろんなセッションを経験しているので、平均以上の適応力を発揮することがあり、遊んだ事がないシステムでも何とかしてしまうことがあるのだ。
初心者にはルールを教えたり、見せ場を作ってあげたり、時にはシナリオのかき回しに徹して裏を支えることも、極端な場合は、押しの強すぎるキャラクター(またはプレイヤー)の話の聞き手になって、その場を制御することもある。
大規模のコンベンションのStuffのなかには、かつていろいろなコンベンションを渡り歩いていたプレイヤーが数多くいるのも頷ける話で、まさに彼らの経験がコンベンションの運営に必要とされているからだ。

一方で、「コンベンション・ジプシー」の存在に賛意を示さないプレイヤーの存在も少なくない。
コンベンションでのプレイは、キャラクターを使い回すことはせず、その1回のゲームでのみ有効なキャラクターを作成して使用することがほとんどである。
(昔と違い、今は「キャラクター持ち込み不可」を言うコンベンションが多勢なので)
そのため「1回限りのキャラクターで1回限りのプレイをする」事に全力を注ぐため、コンベンションでのプレイは大味で、殺伐としたものになる傾向がある。
これに「コンベンション・ジプシー」特有の「キャラクターをその場で使い倒す」プレイスタイルが重なると、ゲームマスターが力負けしてしまったり、最悪の場合セッション崩壊の危機を招く可能性がある。
特に、キャンペーンゲームで、「一つのキャラクターを長い間遊び続ける」ことに面白さを感じているプレイヤーには、「キャラクターをその場で使い倒す」遊び方に違和感を感じたり、最悪の場合衝突ということも考えられるのである。
(もっとも、今のTRPGの主流のシステム構造が、「一つのキャラクターを長い間遊び続ける」というコンセプトではないということも根底にはあるのだが…)
また、まれにではあるが、特定のコンベンションに特有の「流儀」にコンベンション・ジプシーが対応できなかった(なじめなかった)場合、彼の存在は邪魔者扱いされることがある。
 先程、「常に最新の情報を受信(または発信)」と書いたが、この場合、その邪険にされたコンベンションに対するネガティブな感想を発信してしまうこともある。
特に「2ちゃんねる」などの悪質な誹謗中傷の場でネガティブな情報を発信されると、コンベンションStuffがそれを払拭するのに一苦労する、という光景はあちこちのコンベンションで見られている。
これも、「誰が来るか分からない」事を利用した「コンベンション・ジプシー」の問題点といえる。

なぜ「コンベンション・ジプシー」が増えているのかというと、10年前、20年前と比べて、特に都市圏において「コンベンション」が数多く開かれるようになり、敷居が低くなって誰でも参加しやすくなったから、というのが理由の一つであろう。
20年前~15年前のコンベンションといえば、サークルでお金を出し合って大きな会場を借り、各サークルから腕自慢のゲームマスターを擁立して、「うまいマスターのもとでうまいプレイヤーが良質なゲームを遊ぶ」というのが主だった。
だから、プレイヤー参加するほうも、「コンベンションに行く」といえばちょっと気負いがあるのが普通だった(当時サークルの先輩に「初心者はコンベンションに行かないほうが良い」と言われたのを覚えている)。
一方、現在では、コンベンションは「オープンでTRPGを遊ぶ場所」に変容しており、誰でもプレイヤーになり、誰でもゲームマスターになり、気負いなく遊べる場所として親しまれている。
以前に比べて、コンベンションの規模が縮小傾向を続けていることも、敷居の低さにつながっている。
敷居が低くなったことで、老若男女、プレイレベルの区別なく、誰でもコンベンションでTRPGを楽しむことが出来るようになったのだが、その延長線として、ゲームマスターのレベルのばらつきや、プレイヤーのプレイスタイルの違いに起因する諍いなどが顕在化してきて、そして、今回取り上げた「コンベンション・ジプシー」の増加があげられる。

もしあなたがコンベンションのStuffだったら、そんな彼らをどう扱いますか?

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