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2007年1月14日 (日)

私見「TRPGは本当に復活したのか?」

TRPG同人サークルの中堅「有志団体コルセック」様があげられた「TRPGは本当に復活したのか?」を拝読した。
簡単にいえば、「TRPGの出版数は増えてきているのに、コミケに出るTRPGサークルは減ってきている、なぜだ?」というところから始まる、コミケ参加TRPGサークル数の統計と分析であります。
これについては既に氷川様紅茶様が考察を上げられているので、私もちょっと思うところがありました。

まず、コミケ全体の中の絶対数としてTRPGのサークルが減ってきているのは事実であります。
この最大の要因は、TRPGに因るものではありません。
いわゆる「ゲーム系」の中に、新しく「オンラインゲーム」というジャンルができ、そのサークル数が現在も増加傾向にあるからであります。
コミケ会場も無限ではありませんから、各ジャンルごとのサークル数を調整しなければなりません。
コミケ70と71では、ゲーム(電源不要)とオンラインゲームのジャンル配置は隣同士でした。
ある古株の電源不要サークルさんがいっていた「オンラインに割を食われてる」というのはあながちウソではないのです。
次の要因として、「同人作品のバラエティの変質」があったことがあげられます。
昔のRPG同人誌、例えば自分がRPG同人活動を始めた1994年としますと、RPGの同人誌は今よりも内容にバラエティがあったように思います。
今のようなリプレイ一辺倒ではなく、オリジナルゲーム、市販システムの追加設定やシナリオ集、追加世界設定、小説、リプレイ漫画など、いろいろな趣向の同人誌が出ていました。
かわって現在では、オリジナルゲームはともかく、市販システムの同人誌はリプレイが多勢を占めています。
商業作品としてのリプレイが売れている(本当か?)ので、自然とリプレイ同人誌も増えていっているのでしょう。
しかし、表現の選択肢としては縮小されている感があります。

この一因は、市販TRPGシステムの「完成度」が高くなったことにあると思います。
ゲームの完成度が高くなれば、当然プレイヤーは歓迎しますし、遊んでも充実感が得られやすくなります。
反面、ルールや世界などが高度に構築されているため、プレイヤーが手を入れる余地が少なくなってきているのです。
例えば、D&Dはクラシックから現在の3.5に至るまで、ゲームの基本部分は作っても、世界背景を作るのはマスターの役割とされています。
グレイホークやフォーゴトンレルムやエベロンを使ってもいいし、自分で世界を作ってもいい。
そういう、「想像力の自由度」が高く、ユーザーがどんどん手を入れられるのです。
一方、このごろ(2000年頃〜)の国産ゲームの多くは、ゲームのシステムと背景世界は密接に連携しており、なおかつ完成度も高いため、ユーザーが手を入れる部分が少ないという特徴があります。
さらに、シナリオ集や追加設定などもバンバン出るゲームが増えてきているため、プレイヤーはゲームに余分な空想を加えなくても、遊べてしまうことが可能です。
こうなると、プレイヤーたちが創作力を発揮できるのは、自分たちで作ったシナリオやそのプレイ結果が主になってきます。
有用性の面でいえば、そのシナリオを売ってくれればありがたいのですが、どういう訳か、シナリオのプレイ結果(=リプレイ)の方が多く世に出てしまっているのです。
海外RPGの同人サークルがシナリオやプレイエイド関係のものが多いのと、国産RPG(と一部の翻訳RPG、例えばGURPSやSHADOWRUN)の同人サークルがリプレイが多い、というのは興味深いところです。

さらにもう一つの要因として、情報技術の発達をあげておきます。
つまるところ、リプレイを見てもらうのにわざわざ金を出して(高い安いはともかく)本を出す必要性が低くなってきた、ということです。
インターネット接続環境があれば、webやpdfで自分たちの作品を早く、安く、広く伝えることが可能です。
わざわざ本を出す必要性がありません。
実際、コミケにスペースを出していた、あるオリジナルRPGのサークルは、ルールとリプレイをpdfにまとめたCD-ROMを売っていました。
こういうサークルはこれからも増えていくでしょうが、一方で「同人誌」として形に残したい人たちも少なくないはずです。
ですから、今後もTRPGの同人サークルは減るかもしれないが、なくなりはしないだろうと私は思います。

ぶっちゃけ、TRPGの同人誌が売れるのってコミケだけなんスよ。

ps.「新作RPGが出れば同人サークルが増えるのではないか」という仮説ですが、例えばコミケ71で●●●●●のサークルは増えましたし、●●●●●●●●●●のサークルもありました。
しかし、そのほとんどは既存の同人サークルの鞍替えでした。
「TRPGの同人誌を作る」「イベントで出店して売る」という行為は、平均以上に高い壁なのかも知れません。
昔はゲーメストから同人誌入門書が出てたんですが、今はどうなってるんでしょうか?

ps2.出典においてりういち君がお役に立ったようです。
本人にかわりましてお礼を申し上げます。

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